作成:2018・12・15

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


気になる マクロタクマー 50mmF4


レンズキャップは「PENTAX」だけです。

 オランダ人さんからのご依頼でしたが、無限遠が出ないというマクロタクマーを2003年に手入れしました。由緒ある某大学の払い下げ品(要はゴミ)だそうで、外観のキズも尋常ではありません。分解してみると内部でビスが脱落して咬み込んでいたのが原因でした。組み立てて撮影してみると、クローズアップ撮影では合焦しているところは、たいへん鮮明ですが、ボケはキレイとはいえません。(ここ)
 あまり、欲しいレンズとは思っていませんでした。しかし、2005年の暮に、つい出来心で、ネットオークションで、このマクロタクマーに手を出してしまいました。コンディションは、その時点ですでに40年以上の年月を経ているのに、ほとんど使用感がない申し分のないものです。

 

 マクロタクマー 50mmF4 の印象

 SMCマクロタクマー50mmF4は1/2倍までしかクローズアップできませんが、マクロタクマー 50mmF4は等倍までレンズを繰り出すことが出来ます。その代わり、プリセット絞りとなります。オランダ人さんのマクロタクマーでは判らなかったのですが、ヘリコイドリング先端に色分けされた1~25の撮影倍率が記されています。絞りリングの元には、1.5x(水色)、2x(黄色)、3x(橙色)、4x(赤色)の露出倍数が対応した色で示されています。
 一般撮影では、逆光でなければ、風景でもクローズアップでも鮮明で、コントラストも良好です。ただし、ボケはうるさい感じで、あまりきれいではありません。でも、最小絞りが22までしかないのは残念です。

 

 系譜

 研究本によると、このマクロタクマー 50mmF4は、1964年に登場し1966年には自動絞りのスーパーマクロタクマー50mmF4に交代して、Kマウント化され SMCPENTAX M Macro 50mmF4まで続きます。
 蛇足ですが、このレンズのような、等倍までレンズを繰り出すことが出来るプリセット絞りのマクロレンズは、それなりの需要があったようで、ヤシカやリコーなどSマウント陣営では、60mm/F2.8と、魅力的な仕様のプリセット絞りのマクロレンズを70年代の前半までラインナップに揃えていました。


等倍までレンズを繰り出した状態と                            前面

 その他

 この50mmF4は、プリセット絞りなので、標準レンズの代用は無理です。しかし、これなら、等倍まで繰り出せるので、接写リングは不要で、Sマウントのレンズ用の接写リングの不満がありません。

 


 実は、2005年の秋にSMC PENTAX F Macro 100mm/F2.8をネットオークションで譲って頂きました。同じ出品者の方が、コンデションのたいへん良いこのマクロタクマーを出品されているのを6,000円で譲って頂きました。入札したのはワタシだけです。

 K-1で、タクマーレンズを使う時のおさらいです。あらかじめ、絞りリングの使用を許可に設定しておきます。マウントアダプターKをボディに取り付け、フォーカスモード切替レバー(AF/MF)をMFにして、AFカプラーを引っ込めます。さらに、レンズ取外しボタンを押し込みながら(固定ピンを引っ込めて)タクマーレンズをねじ込ます。こうすると、Sマウントを傷つけずに済みます。スイッチをONにすると焦点距離の入力を求めてきます。
 撮影するときは、Mポジションで、グリーンボタンを押して露光情報を記憶してからレリーズします。構図を変えてもグリーンボタンを押したときの露出で何度でもレリーズできるのです。    
K-1でSマウントレンズを使用するときのポイント → ここ





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 更新日 :2018・12・15.
 Product Code 43670,367